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Channel: 絵画指導 菅野公夫のブログ
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Iさん初めての50号水彩

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最近、Iさんが絵を見てくださいと来るようになりました。
Iさんは、私の父が指導している会の人ですが、大きい絵を描くなら息子に指導してもらうようにという形で勧めます。それで、今回が三回目の指導となりました。



初めは、この花が床に置いてあり、床も背景もべたっとしていました。
それでは、変化が少ないので、テーブルの上に置く方法もありますよと話しました。
私はテーブルを斜めにして、背景を喫茶店のような感じにしてみたらと勧めましたが、あまり極端な工夫はできなかったらしく自分でできる精一杯の範囲で、変化をつけてきました。

二回目は、このテーブルのラインが間違っていたので、透視図法を教えました。
水平な面の上にある平行線は、地平線の一点で交わるように見える。
このルールを教えましたが、しっかり理解できないらしく、私のアトリエで糸を使ってやってもらいました。
体験学習です。
糸とセロハンテープを使い、地平線を決めて、テーブルのラインと重なる点を求め、そこにテープを張って、そこを起点にして
糸を回転させました。
それは、テーブルだけでなく、右側にある椅子もどうようです。椅子の場合は二点透視になります。
テーブルの上の本も同様です。

三回目の今日は、背景の出窓になっている板の面が上下に幅があり過ぎることを問題にしました。
幅によって奥行きが決まります。出窓にしては奥行きが多すぎると思いました。
また、その位置にある壺の丸みが丸過ぎるということも話しました。
円柱の上の面は、目の高さに近づくと上下の丸さが少なくなる。完全に目の高さになると丸さがわからなくなって、水平になるということを教えました。これも透視図法の一つですが、一点透視、二点透視の話ではしませんでした。
花瓶の上の丸さ、底の丸さも同じことが言えますが、花瓶から想像して、地平線を決めたので、花瓶のところで話しませんでした。

また、床の板の上下の幅も奥へ行くほど狭くなるのですが、今は少しそれが足りないようです。

光と影の表現がされてないので、余計にそう感じるのかもしれませんが、せっかく透視をそろえても、板との関係で床の面が違っているように感じます。これから考えて行く必要があります。

窓枠と壁にも側面を表現する必要があるというアドバイスをしました。

そういう話は初めて聞いたと言っていました。
いままで、小さい絵を描いていたけれど、気にしたことがなかったということです。

だから、今日聞いた話はほとんど初めて聞きましたと言っていました。

趣味で描いている段階では、このような専門的な話は知らないで描いている人が多いのでしょうね。

これは良く見れば分かることですが、結構知らないと気が付かないで描いていることが多いのです。
わかっているつもりの人も、このブログで自分の見方を確認してみてください。



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