麓原展にK先生が現れた。
このK先生は、埼玉県展の審査員でもあり、県では有名な先生である。
だから、現れたなどと言っては失礼にあたる。
わざわざお出でいただいた。とか、いらっしゃいましたと言わなければならない。
私は大抵そのくらいの気は使う人間である。
しかし、今回は、現れたと言いたくなった。
出会って、数分も経たないうちに、ガツンと叱られたからである。
先生は時間がないらしく、急いで見て次にいかなければならないとおっしゃった。
それで、知り合いだけでも見て行かなくっちゃという感じで作品をとばしながらご覧になった。
その中で、私のデッサン会のOさんの人物を見て、「ああ」と言った。
同じ熊谷なので、知り合いなのである。
私は最近、Oさんが私のところへ来ているんですよと話し、今回の絵は私のアトリエにお孫さんを連れてきて、構図を決めたことを説明した。そこまでは良かった。
しかし私が、Oさんはデッサンがときどきくるっていることがあると指摘したとき、先生の顔色が変わった。
「あなたねえ、あなたもデッサン力はないよ、Oさんと変わらないよ」と言われた。
私は、いきなりストレートな言葉に驚き、すごいことを言われたと思った。
それで、「そりゃあ、先生のような雲の上の人から見たらそうなるでしょうけど」と言って、
その場を収めた。「何とおっしゃるうさぎさん」と反論しては、けんかになる。
しかし、先生は少なからず、腹がたったのだろう。
「ろくに力がありもしないくせに、お前だって五十歩百歩じぁないか、人のことを偉そうに言えたぎりじゃないだろ」とこういう意味だと解釈した。
しかし、ストレートの直球で、真正面から話す人だなあと思った。
しかも本質的なことをいきなり議論する。
ただ、その後、面白いのは、言い過ぎたと感じたのか、私が誤解したまま受け取るのも困ると思ったのか、いろいろな言葉を足して、説明しようとした。
言わんとすることは、デッサンはデッサンにすぎないという考え方、色の着いた本絵とデッサンとは違うということ。そういう考えを持って、話しているらしかった。
私は、色のデッサンという言葉を使うことがあるが、Oさんについてはそのことを含めてデッサン力と言ったのだが、そういう意味合いを含めて受け取ったかどうか、やや疑問である。
しかし、もっとわかるまで聞こうとしないで、自分の理解している言葉の定義で、すぐに分かったつもりで戦ってくる人だなあと思った。
結論は、あなたはわかってないということ、良いと上手いは違うということまで言った。
先生は、いろいろ言いながら、「分かる?」と問いかけた。
私がわかると言えば、「いや、あなたはわかってない」と言われそうだったので、「10年後くらいにはわかるかもしれません」と答えた。
そんなやりとりをしたので、現れたと言いたくなった。
このK先生は、埼玉県展の審査員でもあり、県では有名な先生である。
だから、現れたなどと言っては失礼にあたる。
わざわざお出でいただいた。とか、いらっしゃいましたと言わなければならない。
私は大抵そのくらいの気は使う人間である。
しかし、今回は、現れたと言いたくなった。
出会って、数分も経たないうちに、ガツンと叱られたからである。
先生は時間がないらしく、急いで見て次にいかなければならないとおっしゃった。
それで、知り合いだけでも見て行かなくっちゃという感じで作品をとばしながらご覧になった。
その中で、私のデッサン会のOさんの人物を見て、「ああ」と言った。
同じ熊谷なので、知り合いなのである。
私は最近、Oさんが私のところへ来ているんですよと話し、今回の絵は私のアトリエにお孫さんを連れてきて、構図を決めたことを説明した。そこまでは良かった。
しかし私が、Oさんはデッサンがときどきくるっていることがあると指摘したとき、先生の顔色が変わった。
「あなたねえ、あなたもデッサン力はないよ、Oさんと変わらないよ」と言われた。
私は、いきなりストレートな言葉に驚き、すごいことを言われたと思った。
それで、「そりゃあ、先生のような雲の上の人から見たらそうなるでしょうけど」と言って、
その場を収めた。「何とおっしゃるうさぎさん」と反論しては、けんかになる。
しかし、先生は少なからず、腹がたったのだろう。
「ろくに力がありもしないくせに、お前だって五十歩百歩じぁないか、人のことを偉そうに言えたぎりじゃないだろ」とこういう意味だと解釈した。
しかし、ストレートの直球で、真正面から話す人だなあと思った。
しかも本質的なことをいきなり議論する。
ただ、その後、面白いのは、言い過ぎたと感じたのか、私が誤解したまま受け取るのも困ると思ったのか、いろいろな言葉を足して、説明しようとした。
言わんとすることは、デッサンはデッサンにすぎないという考え方、色の着いた本絵とデッサンとは違うということ。そういう考えを持って、話しているらしかった。
私は、色のデッサンという言葉を使うことがあるが、Oさんについてはそのことを含めてデッサン力と言ったのだが、そういう意味合いを含めて受け取ったかどうか、やや疑問である。
しかし、もっとわかるまで聞こうとしないで、自分の理解している言葉の定義で、すぐに分かったつもりで戦ってくる人だなあと思った。
結論は、あなたはわかってないということ、良いと上手いは違うということまで言った。
先生は、いろいろ言いながら、「分かる?」と問いかけた。
私がわかると言えば、「いや、あなたはわかってない」と言われそうだったので、「10年後くらいにはわかるかもしれません」と答えた。
そんなやりとりをしたので、現れたと言いたくなった。