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Channel: 絵画指導 菅野公夫のブログ
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北斎殺人事件

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ゴッホ殺人事件を読みおえて、感想を書いたら、北斎殺人事件という本もあることを教えてくれた方がいました。
それで早速読んでみました。



今度は、北斎が殺されたのではないかという説ではありませんでした。

小説ですから北斎の絵が殺人事件に絡んでいるということは想像した通りでしたが、その話に絡んで実際の北斎はどんな人だったのかという
ことについて、私は新たに知識を得ました。

もっとも私は日本美術についてはあまり勉強していないので、北斎については1~2冊読んだことがある程度です。
名前を30回くらい変えたとか、引っ越しを90回したとかだけは、知っていました。

今回知ったことは、北斎が隠密だったという説です。

つづく

私が思う北斎は町民であり、あまり裕福ではない絵描きという印象でしたが、
この本によると、どうも武士だったのではないか、しかも隠密のような疑いがあるというのです。絵師であることはもちろんですが、それを隠れ蓑にしての隠密。

貧乏絵描きというのが、絵描きとしての印象ですが、実はかなりの金持ちで裕福であった。
ただ、それを感じさせないのは、カモフラージュのため、また、稼ぐのも稼ぐが使うのも凄いということも指摘されています。
そして、旅の多さ。これは、当時旅をするのは、今で言えば海外旅行をするのと同様で、かなりの出費だった。

もし、ただの絵描きなら、行った先の絵を描かない訳がない。それが、行ったはずの場所の絵がなかったりする。もしかすると、本当は別の場所へ行ったのかもしれないという疑いが出てくるそうです。

また、旅の時期が、幕府にとって重要な出来事とあまりに一致しているということも隠密としての疑いの一つだといいます。

更に付け足すと、北斎の子供の一人は、事実隠密だったとか。

つづく

この本を読んで、高橋克彦さんは、「写楽殺人事件」、「広重殺人事件」も描いていることを知りました。それで、いま、「写楽殺人事件」を読み始めました。
実は、北斎を読んでいて、写楽の方が先に書かれたことがわかったのです。
読み始めてみて思うのは、北斎に登場した同じ人物が登場することです。
ですから、これは完全に、繋がっているものでした。
逆に読んだために、面白さが増している部分もあります。

それは、登場人物がどのような人であるかが、ここでわかるということです。
順番に読めば、何でもないことが、逆に読んだために、あの人はそういう人だったのかと
改めてわかることです。そして、その人の未来を私は知っているのです。
タイムマシンで過去へ行ったような読み方になるのですね。

つづく














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