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Channel: 絵画指導 菅野公夫のブログ
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千葉のSさん 石膏デッサン模写

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千葉のSさんが、石膏デッサンの模写をしています。

かなり、進みました。



ここまで来ると、もう完成と言っても良いと思います。

ここで考えることは、自分でこれで良いと思うかどうかです。

初めて描いたものとして、これはここまでで完成にしておいて、次のデッサンに移ろうという考えが一つ、それも可。

もう一つは、納得がいかないので、一度壊して更に追究しようという考えが一つです。

ーーー

私は、アドバイスとして、途中で話した大きな明暗が弱いと思います。
顔の正面と側面を分けた場合の側面の暗さが足りません。もっと正面と側面の明暗の差を考えたいです。ということは、側面全体を暗くするのです。側面と言っているのは、頭から首までの全体ですね。また、胸の側面から脇の下辺り全体です。

大きく二つに分けたときの暗い面と言ってもいいですね。

このことは、途中段階でやることなのですが、なかなか丁度良い暗さにすることができません。
余程慣れた人でないと、丁度良い暗さに途中段階ではできないでしょう。
このことを下地づくりなどと言う人もいます。

丁度良くできないということは、描いてからまた壊す作業が必要になります。

私は、これを戦いと言っています。デッサンで「今日の戦い」などと言ってみたくなるときがありますが、それは、こんなことも含まれています。

描いては壊す、壊しては描く、この戦いです。芸術は破壊と創造と言われますが、正にこれがそれですね。

言い換えると、この場合は、大きく見ることと細かく見ることと言い換えられます。
その両方を見ることが大切です。
ことわざに「木を見て森を見ず」というものがありますが、それですね。細部が良くかけていても森という塊のニュアンスにならない場合に言われます。森のボリューム、森を包む空気、鳥が飛んできてスッと入れる雰囲気です。

このデッサンのことで言えば、大きな明暗の組み立てが森です。

ーーー
ただ、この戦いをとことん突き詰めると、ジャコメッティのようなことにもなりかねませんから、大変です。
それで、「どこでやめるかが画家の力量」などと言われます。








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